2011年 04月 02日
引きがね |
山奥にある小杉谷の集落が解体されて、もう40年以上がたつ。
学校や営林署などの建物はすべて片付けられ跡形もない。木々の根に覆われつつある建物の基礎の石に、何とかかつての人の気配を感じることができるだけだった。
今日、嶺(れい)という子が森の中でボールを見つけた。
ずいぶんと古いアニメのキャラクターが描かれたボール。
かつての校庭には、屋久島では自生しないはずのソメイヨシが咲き始めている。
桜を愛でた人々が植えたのだろう。
朝日のまだ柔らかい光が木々の枝葉をぬって森の中にオレンジ色の木漏れ陽となって差し込んでいる。
ボール、嶺、桜、木漏れ陽が僕の心で反応しあって、この森でかつて走り回ってた子供たちの残像が鮮やかに浮かび上がった。そして、野球少年だった昔の僕の思い出もつられて久しぶりに蘇った。
by shunzo_landphoto
| 2011-04-02 07:39
| 先人たちが残していったもの